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ミツバチの旅
ブラジルでは、ミツバチの寿命は約40日ですが、木や草の花の寿命は
それよりも短いのが普通です。
だから蜂たちは、巣作りのためだけではなく
自分の食料を確保するためにも、ミツを求めて新しく咲いた花を
探しまわらねばなりません。
自家消費のためにハチミツを採るような小規模の養蜂であれば
蜂の数が比較的少ないので、ハチたちは適当にその辺の草花を探し出して
生きていきますが、大規模な養蜂になると
多量の木や草の花を確保しなければなりません。
このため、ミツの生産性を上げるために
ミツバチに常時十分な花を与えて個対数を増やし
ミツをどんどん採らせる必要があります。
そこで、群生する花を求めて巣箱を移動させることが行われるのです。
巣箱は移動や組み立てが便利なように工夫して作られています。
大規模な養蜂家たちは、季節の推移に応じて、花を求めて
南のパラナ州から、北のセアラ州へと、
直線距離で二千キロを超える長い旅を繰り返します。
2000キロメートルといえば、日本では、北海道の北端から、
九州の南端までの直線距離です。
下の地図はブラジルと日本の大きさを比較しています。
こうしてブラジルのミツバチは、温帯から熱帯にまたがる国土の地理的な
条件のもとで、「冬」の無い一年を過ごすことができるのです。